2011年5月31日火曜日

29. Roots Inst

  Kenyata / Joe White 〈1972〉

前回の更新で、メロディカ奏者を書き並べたがその内の1人、Joe White。
レーベルにはアレンジもプロデュースもJoe Whiteの名がクレジットされている。

出だしのピアノに惹きつけられ、ずっしりと重厚な演奏(Joe White Recording Band)に、鳴り響くメロディカ。


2011年5月30日月曜日

28. Coxsone

  Adis A Wa Wa / New Establishment 〈1972〉

「Skylarking」trkのメロディカCut。
New Establishmentは”Rock Fort Rock"、"Hail Don D"、"Joe Grazer"などでクレジットされている。
1965年のSkatalites解散からCoxsoneのハウスバンドはSoul Brothers、Soul Vendors、Sound Dimensionと変遷し、その次くらいのバンド名と思われる。
実際、盤によっては”Rock Fort Rock"、"Hail Don D"はSound Dimensionとクレジットされている。

掲載曲のメロディカ奏者はBobby Kalphat。
ジャマイカのメロディカ奏者と言えば、Augustus Pablo、Joe White、Bobby Kalphat、
あとはPeter Toshくらいだろうか。

メロディカ、やはりいいですね。


2011年5月28日土曜日

27. Early Reggae

You Don't Know / Bob Andy

1944年生まれのBob Andy。
彼もまた、ヴィア・ジョンズ・オポチュニティ・アワー経験者の1人。
1962年にDuke ReidのもとでTyrone EvansとDuo(Paragonsの前身)で初のレコーディングをした後に、1967年にはCoxsoneから「I've Got To Go Back Home」をリリースする。
そして、かの有名なLP「Song Book」がリリースされることなる。私も何年も聞いているが全く飽きることなく聞きつづけられるまさに名盤である。

今回の掲載曲は1973年にリリースされたナンバー。プロデューサーはHarry Johnson。
Harry Jから出ているBob Andyの曲は、Marcia GriffithsとのDuoも加えて素晴らしい出来だと思っている。
掲載曲は音数が少ない演奏に、味わいのあるBob Andyの声が絡み合う。
全くジャマイカ音楽に興味のない私の妻もこの曲には興味を示してくれることから、ジャマイカ音楽ファンのみならず、どこか人の心に訴えかける力がある曲ではないだろうか。

60年代のBob Andyの実績もさることながら、70年代のBob Andyも見落とすことができない情熱的な、奥深い曲をたくさんリリースしているため、必ずチェックするようにしている。




※You Don't Knowが収録されているLPは「Retorospective」

2011年5月25日水曜日

26. Coxsone Ska

       Ska-Ba / The Skatalites

SkatalitesはCoxsoneのスタジオバンドとして1963年に結成された。
オリジナルメンバーは以下のミュージシャン。

Don Drummond (trombone)
Tommy McCook (tenor sax)
Roland Alphonso (tenor sax)
Johnny Moore (trumpet)
Lester Stirling (alto sax)
Lloyd Brevette (bass)
Lloyd Knibbs (drums)
Jah Berry (guitar)
Jackie Mittoo (piano,organ)

その他にも
Arkland "Drumbago” Parks (drums),Gladstone Anderson (piano),Ernest Ranglin(guitar),
Cluett Johnson(bass)
などのメンバーが参加していたとされる。

Skatalitesに関する好きな逸話がある。
BLUE BEAT BOP!に石川貴教さんが書いているお話だ。

〜 ジャマイカに滞在中だった1995年、Coxsoneの誕生日パーティーに呼ばれてその会場へと向かった。そのメインイベントは、ニュースカタライツと呼ばれている現役、アルファーボーイズ・スクールの面々の演奏だった。
全員が10代前半かそれ以下の子供たちは緊張した様子で、R&Bのインスト、Soul Jazz調の演奏を下手っぴに何曲か繰り返した。
「こりゃだめだ」と思った矢先、Skataliteの黄金のスカチューンに変わった。するとどうしたことか、その子達はまるで別人のような勢いで、まさに魔法がかかったごとくの音を瑞々しく奏で始めたのであった。 〜

自国で生まれたSkaに対してのプライド、Skatalitesへの尊敬の気持ちが演奏として表れたのだろうか。とても心に残っている。

掲載曲はSkataliteのなかでもけっこうハードに演奏されている所謂Killer Ska。


2011年5月17日火曜日

25. BLUE BEAT

  
      You Cheated On Me / AL T.Joe with the Celestials 〈1962/BB126〉

BLUE BEAT。
Melodiscのオーナー、エミル・シャリットが創ったレーベル。
ジャマイカ音楽をSkaからのめり込んでいった自分にとっては、とても思い入れのあるレーベルである。Skatalitesから聞き始め、もっとジャマイカ音楽の知識を深めたいと思い手に取ったのが当ブログでも度々出てきているBLUE BEAT BOP!という本であった。その頃、BLUE BEATすら知らない状況であったが、本の最後にリリースされた1番から424番までの(レーベル写真付きの)リストがあり何だか圧倒された。まだまだ知らない曲がこんなにあるという驚きとワクワク感が入り混じり、よく曲のタイトルとアーティストからどんな感じの曲なんだろうなぁと想像していた。(今ならYou Tubeで検索かけたら聞けるだろうが、その頃はまだそんなものはなかった。)

だから、BLUE BEATの7inchを手に入れた時は、そのリストに印を入れている。
最近はあまり買わなくなったが、
やっぱり自分にとっては夢を見させてくれるレーベルである。

このBLUE BEATであるが立ち上げは1960年の8月。エミル・シャリットはキングストンを定期的に訪れ、名だたるプロデューサーたちと取引きをしてBLUE BEATからリリースしている。尚、レーベルの左側に元のレーベルが明記されている。

掲載曲は泥臭いボーカルにタフな演奏が絡む。
以前のRough & Tuff同様、絶妙なテンポがよい。



2011年5月15日日曜日

24. Bob Marley

     Sun Is Shining / Bob Marley & the Wailers 〈1970〉


先日、いつもお世話になっているお店へレコードの買い出しに行って来た。
店主が検盤を兼ねてレコードを流すなか、自分はゆっくりとレコードを物色する。
そんな時、店主が流しているレコードで、めっちゃ渋い曲、素敵な曲に出会い、
めでたく自分のコレクションにさせて頂くことがある。

今回の掲載曲はそんな経緯でゲットした1枚。
改めて聞くと、Bob Marleyの声に強烈な鋭さがあり、引き締まった音を奏でるメロディカもすごくいい。

個人的には、Bob MarleyはLee perryプロデュース期を一番好んで聞いている。
LPでいうとAfrican Herbsman,Soul Revolutionあたり。

将来、Original盤で"Satisfy My Soul Jah Jah"を手に入れたい。


2011年5月11日水曜日

23. Bob Marley

     Jah Live / Bob Marley & the Wailers

言わずと知れたジャマイカのスーパースター。
今日はBob Marleyがこの世を去ってから30年となる日。

1945年2月6日に生まれ、1981年5月11日、36年の生涯となる。

Bobは幼い頃から地元では知れた予言者だったと母が語っている。
というのも、村人の手相を見て、その人の人生についてBobが知るはずもないことを言い当てることがあったのだという。
この予言者としての才能は自らの生涯までも正確に受け止めていた。

1962年、Beverly'sからデビューしたBobは後に、
The Wailing Wailersとして、自分を含め4人の少年(Bob Marley,Bunny Wailer,Peter Tocth,Junior Braithwaite)と2人の女性コーラス(Beverley Kelso,Cherry Green)隊でCoxsoneからリリースしている。
最初のリリースは1964年初頭の"Simmer Down"。
縦横無尽に騒ぐゲットーのルードボーイを諌める内容の歌だ。
その後、およそ2年半の内に100曲以上の歌をCoxsoneのもとで録音したとされている。
しかし、金銭面のトラブル(Coxsoneが正当な稼ぎを彼らに渡さない)が原因でCoxsoneのもとを離れる事になる。

自らでレコードレーベルを持ち、曲をリリースする事を夢見たBobは、立ち上げ資金の為にアメリカへの出稼ぎに行く事を決意する。
そんな頃に、知人はBobにこう話をしたという。
「あんたの才能は、長く富裕な生活を保証するだろう」
それに対し、Bobはこう答えたという。
「俺のことじゃないだろうぜ。俺は36歳で死ぬ予定だ」

 〈参考文献:BLUE BEAT BOP!〉


自らの予言通りにこの世を去ったBob Marley。36歳はあまりに若い。

けれども、今も尚、絶大な影響力を持ち
この世界に生きている僕たちにみなぎる力を与えている。



2011年5月10日火曜日

22. Reggae

    Talking Blues / The Cimarons
    Natty Is The Winner / Shorty The President With Pablo


Bob MarleyのCoverはたくさんあるけれどあまりぱっとしないのが個人的意見。
やはり、Bob Marleyの曲でBobを越えることはできない。
その数多くあるCoverの中で、掲載曲に限っては心惹かれる一枚。

CimaronsはUKで結成されたグループだけれど、おそらくこれはジャマイカ録音。
儚さがある声がすごくいい。

もう一曲は"Talking Blues"trkのDJカット。それにAugustus Pabloのメロディカが加わっている。

どちらもTuff Gong系列のレーベル。




2011年5月9日月曜日

20. Reggae

     South African Reggae / Skin, Flesh & Bones

 Drum: Sly Dumper
 Bass: Jackie Jackson
 Guitar: Hux Brown, Red Bryan
 Keybord: Ansell Colins

メンバーは上記の通り。
RevolutionariesやAggrovatorsほど聞くバンドではないけれど、
Reggaeの傑作カバー"Here Am I Baby"などにクレジットされている。

自分も”Here Am I Baby"での渋い演奏を聞いてからは、Skin, Flesh & Bonesがクレジットされているものを見つけた時は、チェックするように心がけている。
掲載曲も、クレジットで引っかかり聞いてみたら自分好みだったという1曲。あまり見ないレーベルだが、プロデューサーはRandy'sのオーナーClive Chin。

FunkyなDJ、Cedric Brooksのかっこいいブロウに低音が響く。



2011年5月6日金曜日

19. Roots

    Mark Of The Beast / Freddie McGregor & Soul Syndicate

Freddie McGregorも音楽キャリアのスタートはStudio1。
生まれは1956年。7歳の時にはすでにClaredoniansのバッキングボーカルとして参加していたという。
その頃のジャマイカは、独立(1962年8月6日)を果たし俄然、Skaも勢いを増していた頃。
そして1963年にはSkatalitesが結成された(BLUE BEAT BOP!より)。
7歳の少年にSkatalitesの面々はどのように映ったのだろう。ちなみに、SkatalitesのメンバーであるDon Drummondは 1932年生まれ、Roland Alfhonsoは1931年、Tommy McCookは1927年。親子までとはいかないが随分と開きがある。

60年代のことばかり書いていたが、掲載曲は1978年にリリースされた曲。
Lpだったらやっぱり"Bobby Babylon"が好きで、
自分が持ってる7inchだと掲載曲"Mark Of The Beast"。

Backing BandはReggae期に数多くクレジットされている、Soul Syndicate。

Drum: Carlton "Santa" Davis
Bass: George "Fully" Fullwood
Guitar: Earl "China" Smith
Rhythm Guitar: Tony Chin
KeyBoard: Bernerd "Touter" Harvey,Keith Sterling

調べると一応このようなメンバー構成になっているようだ。
ただし、このメンバー以外にも例えばDrumに、かのHousemouthがクレジットされていたりする。

Santaなのか、Housemouthなのか分からないけど、
歌が始まる前の勇ましいDrumが好き。







2011年5月4日水曜日

18. Nyahbinghi Roots

     SLAVERS / Jah Wire

大地にこだまするビンギドラム。
月明かりに揺れるドレッドロックス。
異国の地から、故郷、Africa、Ethiopiaに思いを馳せる。

固く、拳を握りしめ、折れない心。


2011年5月3日火曜日

17. Reggae

     Africa Is Paradise / The Conscious Minds (H.Seaton & Lloyd Charmers)
     Oh Me Oh My / Lloyd Charmers

Lloyd CharmersプロデュースのSplashレーベルから同トラックの2曲。
個人的にこのトラックが大好きで、Oh Me Oh Myの方は手に入れていたのだが、
African Paradiseは1年くらい探していたが先日ネットで見つけて、
昨日ついに届いたので2曲を掲載。

ギターで始まり、Africa Paradiseでは印象的にピアノが入り、Oh Me Oh Myの方はホーンが入ってくる。
哀愁を帯びた演奏に、これまた渋く歌声が混じり合う。




2011年5月2日月曜日

16. Coxsone

    Let Them Try / Alton Ellis


Altonはジャマイカの歌い手の中でも抜群に歌がうまい。
本当に聞いていて惚れ惚れする声だと思う。
だから、彼の声にはラブソングが最高に似合う。

生まれは1939年。デビューはCoxsoneからで何曲かリリースした後にRandy'sでも録音している。
そして、Duke ReidのTreasure Isleから、"Dance Crasher","Don't Trouble People","The Preacher(説教者)などをリリースしている。タイトルから分かるように、反社会的な行動をする当時のルードボーイに対しての警告の歌だ。意外にも、ラブソングだけではないAltonの歌に対しての真面目さを感じる。そして、先に挙げた曲は個人的には好きで、特に"Don't Trouble People"なんかは今から7年くらい前に、ジャマイカから出品されているオークションでゲットして、そのレコードの郵便物に貼られていた切手が、Bob Marleyで感動してしまい今でも大切に額に入れて飾っている。

ただ、そのようなお咎めの歌を歌ったせいでルードボーイたちから標的にされてしまい、ルードボーイたちを刺激するような歌を出さなくなる。

もちろん、"RockSteady","La La Means I Love You","You Made Me Happy"などのラブソングもリリースしていて、むしろそっちの方がTreasure IsleのRockSteadyにおける黄金期を支えたと考えられる。

Coxsoneに戻って来たのは、1967年にCoxsoneからの誘いでSoul VendorsのメインヴォーカリストとしてKen Bootheと共にイギリスツアーに参加した事がきっかけ。

曲数は決して多くはないが70年代に入っても、Altonの素晴らしい曲はある。
今後、掲載していきたいと思う。