2012年3月23日金曜日

111. Rocksteady

     No One To Give Me Love / Larry Marshall

男がいた。その男は大学の卒業を真近に控えていた。
男は恋をしていた。
彼女には大学4年の春に出会った。
1ヶ月間、海外を旅して帰ってきた直後のため
まだ日本の春に馴染めず、何だか心がそこになかった。
そんな時に、初めて一目惚れという感覚にぶちあたる。

しかし、それ以降は何も進展がないまま時間は過ぎた。
ぬるい大学生活が終わり、社会の労働者になる現実。
希望なんてなかった。あるのは不安だけだった。
彼女に告白をしようか。
ここで気持ちを伝えなければもう彼女と会うこともないだろう。

男は卒業前に彼女に自分の気持ちを伝えた。

そんな日々のなかで、よく聞いたカセットテープがある。
テープのB面、ラストから3曲目がとても男の心を揺さぶった。
この曲を聞くと、いつもあの頃のことを思い出す。

今日、3月23日は男と告白を受けた彼女の8年の記念の日である。


2012年3月20日火曜日

110. Roots & Coxsone

      Up Park No Mans Land / Winston Jarrett
      Work Up Yourself / Winston Jarrett

声の魔術師、Winston Jarrett。
音に合わせ自身のしゃがれた声を如何様にも変えて歌いきる。

シンガーとしてのキャリアはAlton Ellis & The Flamesの一員として始まる。
その後、Prince Buster、Sonia Pottingerなどからリリースされている
Righteous Flamesのメンバーとして活動した後にソロ名義でレコードをリリース。

個人的に、すごくWinston Jarrettに潜在能力の高さを感じる。



2012年3月14日水曜日

109. Roots

    Blood Dunza / Blazing Fire

メジャーなレーベルではないけど、自分好みの音が多い"JA-MAN"。

レーベルデザインが2種類あって
掲載曲のデザインと以下のデザイン。
















どちらのデザインにしても決してかっこいいわけでもないけれど
あえて狙ってこんなデザインにしている感じがする。

それでいて、上のレーベルデザインの時は
Produced by Dudley Swaby and Leroy Hollettとクレジットされていて
掲載曲のレーベルデザインの時は
Produced by Manzie and Bunny(もしくはManzieのみ)とクレジットされている。

そもそも、Dubley SwabyもLeroy HolletもManzieもBunnyも誰も分からないんだけど
もしかしてレーベルデザインが違うのはプロデュースする人が何人かいて
その人の好みなんじゃないかと思い調べてみたら、
Dubley SwabyとManzieは同一人物だと分かった。
Leroy HollettとBunnyも同一人物かは分からなかったけど
その可能性は高いんじゃないでしょうか。
気にしなければ全然気にならないところなんですが。

あくまで想像ですが、このレーベルデザインの時は
クレジットの名前をこっちにしようとか考えてそうな
その感覚、目論みが個人的には好き。

曲に至っては妙にスリリングさを感じさせてくれるGreat Tune。

2012年3月13日火曜日

108. Killer Ska

   Dick Tracy / The Skatalites
   So Long / Baba Brooks

Killer Ska対決。
Coxsone vs Treasure Isle

ライバルがいたからこその切磋琢磨。
どちらも甲乙つけがたいキラーさ、かっこよさ。



2012年3月7日水曜日

107. Nyahbinghi

    A New Dub (A New Name Jah Got) / Ras Michael & The Sons Of Negus

二十四節気という言葉のなかで、啓蟄が一番印象的だ。
大地が徐々に温かくなるにつれ、
地中に冬眠をしていた虫たちがいよいよ穴から出てくるころのことを言う。
待ちわびた春がいよいよ訪れるその一歩手前の季節をさす言葉。
今年は3月5日が啓蟄だったらしい。
季節を細分化し、また季節の言葉を作ることは中国の影響ということだが
日本人は季節感を大事にして生きてきた民族だと実感させられる。
自分も歳を重ねるにつれて季節の移り変わりを楽しめるようになってきた。

今回の掲載曲は個人的に「大地」という言葉が、ぴったりのNyahbinghi。
大地にこだまするかごとくのDubwiseに痺れる。